サイクリングは複雑である必要はありません。シンプルでわかりやすく、冒険の自由を楽しむものであるべきです。サイクリングには深い技術的ノウハウが必要なように思われるかもしれませんが、最高のコンポーネントとテクノロジーがあれば最小限の思考で十分です。それらは常に、思い通りに動いてくれるからです。
別の言い方をするのならば、優れたテクノロジーとは、ユーザーにテクノロジーへの適応を求めるのではなく、ユーザーに寄り添うのです。シマノでは、このようなスピリットに則ってDi2のカスタムオプションを開発し続けています。シマノの電動ドライブトレインスイッチに割り当てることができる豊富な機能ライブラリに、次に追加されるのがFRONT SHIFT NEXTです。
非の打ちどころのないパフォーマンスとシンプルさへの追求が推進力となり、シマノの新しいFRONT SHIFT NEXT Di2、すなわち、スイッチ1つでフロントチェーンリングを変速できるという機能が生まれました。アウト側のチェーンリングで走行中にスイッチを押すと、フロントディレーラーがチェーンをイン側のチェーンリングへ落とします。同じスイッチをもう一度押すと、アウト側のチェーンリングに再びシフトアップします。簡単でしょう?
これにより、経験の少ないライダーにとってはより直感的なシフト操作が可能となり、ベテランライダーにとっては白熱したレースの中でもより迅速な決定を下すことができるようになります。
FRONT SHIFT NEXTは、DURA-ACE、ULTEGRA、SHIMANO 105、そして新しいGRX RX825シリーズを含む、ダブルチェーンリングを搭載するすべての12スピードDi2電動シフトシステムで、ファームウェアをアップデートすることにより利用できシマノのE-TUBE PROJECT Cyclistアプリで設定が可能です。
フロント変速のプロセスを劇的に簡略化したことに加え、FRONT SHIFT NEXT機能により、ペアリングしたヘッドユニットデバイスで複数の画面間を行き来したり、「ラップ」ボタンを押したりといったタスクを、他のDi2スイッチに設定することが可能になります。起伏の激しい地形の走行時やあなたが限界までプッシュする時でも、手をハンドルバー上にしっかり置いておくことができるのです。
FRONT SHIFT NEXTは、分厚い手袋を着用した寒い冬のライドにも役立ちます。ボタンを押し間違う心配をする代わりに、FRONT SHIFT NEXTの機能をデュアルコントロールレバーのブラケット部分にある補助ボタンか、あるいはシフトスイッチに割り当てることができます。これにより、どのボタンがチェーンをアウター側チェーンリングに動かし、どのボタンがイン側に落とすのかで混乱することが少なくなり、シフトミスを心配する必要がなくなります。代わりに、割り当てられたボタンを押すだけで、チェーンが現在使用されていない方のチェーンリングか、次のチェーンリングへと移動します。
また、FRONT SHIFT NEXTがあれば、ブラケット部分にオプションスイッチを持たないSHIMANO 105 Di2のセットアップもさらに充実したものとなるでしょう。左レバーのシフトスイッチの両方を使ってフロントディレーラーを操作する代わりに、1つのスイッチにFRONT SHIFT NEXT機能を割り当て、もう1つのスイッチにはサイクルコンピューターのスクリーン切り替えを設定することができます。
さらにもう一つの活用方法として、対応する自転車でDi2システムをセットアップしてフロントとリア両方のディレーラーを片方のデュアルコントロールレバーで制御することも可能です。この場合、ブラケット上部にある補助ボタンにFRONT SHIFT NEXTを起動するよう設定し、一方でコントロールレバーの2つのスイッチを使用してリアディレーラーにチェーンのアップ/ダウンを行うよう指示することができます。
さあ、FRONT SHIFT NEXTの使用方法やE-TUBE PROJECTアプリで利用可能なすべてのカスタマイズオプションについて、チェックしてみてください。これらもまた、シマノDi2システムがサイクリング体験を最大限に高めるもう一つの方法です。