世界で最も有名なグラベルレース「UNBOUND GRAVE」が長い休止期間を経てついに開催となり、トッププロや一般のアスリートたちがカンザス州エンポリアに集結しました。週末に行われるこのレースは、200マイル部門でグラベルキング&クイーンの座を争ったり、350マイルのUNBOUND XLアドベンチャーでサポートなしの長距離ライドを楽しんだり、25マイル、50マイル、100マイルのコースでグラベルライドとコミュニティを体験したりと、誰もが楽しめるイベントです。

UNBOUND GRAVELへ、それぞれの準備

UNBOUND GRAVELに出場するためには、いずれの距離であっても様々なレベルでの計画や準備が必要となります。その中でも、特に重要なのが自転車やギアに関してです。使用するギア、タイヤ幅や空気圧、十分な食料と水を持ち運ぶ方法、路面の尖った硬い石によって時間をロスしそうになった時にどんな道具が必要なのかなど、そういったことのすべてが計画の一部なのです。

UNBOUND GRAVELへ、それぞれの準備

多様なコンディション、目まぐるしく変化する地形、予測できない天候の変化といった要素を考慮し、ライダーたちは自分なりの決断とギアの選択をします。UNBOUND GRAVELが始まる前にシマノのアスリートたちにインタビューし、彼らのギアについて、そしてレース当日の難しい決断をどのように下したかを聞いてきました。

JAY PETERVARY – UNBOUND GRAVEL XL

出場歴:2021年 7位(2019年DIRTY KANZA XL優勝)

ウルトラエンデュランス・サイクリストであり、このスポーツのアンバサダーでもあるJay Petervaryの人生におけるモットーは「Ride Forward(前向きに走れ)」ですが、これはホイールを決めるときだけに限ったことではありません。

自転車:Rodeo Labs Traildonkey

タイヤ:Panaracer Gravelking SK 700x38c

セットアップ詳細:

エアロバー:絶対に必要!

リペアキット:マルチツール、チェーン切り、チェーン、チェーンオイル、タイヤプラグ/プラグ、チューブ(3本)、ディレーラーハンガー、マッドブラシ/スティック

特別装備:音楽を聴くためのイヤホンは必ず持っていきます。なぜなら、XLは長く孤独なライドだから!

スタート時の食料:自転車に2,500 kcal、飲料 69 oz(約2L)

チェックポイントスナック:コンビニ(XLはサポートなしのため)

レースのお供:

AMY CHARITY – UNBOUND GRAVEL 200

出場歴:2018年、2019年、2021年

コロラド州で生まれ育った山ガールのエイミーは、ロードレースに情熱を注ぎプロとしてのキャリアを追求するため、34歳のときに金融業界を去りました。エイミーは自身がグラベルレースに出場する一方で、コロラド州のスチームボートスプリングスで開催されるSBT GRVLレースの主催者兼ディレクターも務めています。

自転車:Ventum GS1

ギア:50-34Tチェーンリング、11-28Tカセット

タイヤ:Panaracer Gravel King plus 700x38c

空気圧:32 psi タイヤインサート:Cushcore

エアロバー:ロードレースにおいて理想的ではないと思うので、使用しません。エアロバーを使うには路面が不安定すぎるし、荷物が動き過ぎるから。  

チェックポイントのスペシャルアイテム:スペアシューズ。足が熱くなったときにスペアシューズがあると、レースの流れが一変します!それから、万一のときにDynaplug(チューブレスタイヤ修理用プラグ)が大活躍してくれます!

スタート時の食料:自転車に1Lボトル2本、Camelbak 1.5 Lハイドレーションパック。1時間あたり250 kcal以上を目安にしています。 

チェックポイントスナック:ブリトー、プリングルス、ポップタルト、PB&J(アメリカの定番サンドウィッチ)、コーラ

PETE STETINA – UNBOUND GRAVEL 200

出場歴:2019年総合2位

Peteは、ワールドツアーレースからグラベルレースへと飛び込みましたが、グラベルコミュニティは全く異なる世界でした(もちろん良い意味で、と断言します!)。現在、彼はココペリ・トレイルのFKT(最速記録)保持者であり、2019年BWRのディフェンディングチャンピオンです。

自転車:NEW Canyon Grizl 

ギア:DURA-ACE 50-42Tチェーンリングおよび11-34Tカセット 

タイヤ:IRC Boken DoubleCross 700x42c 

空気圧:31 psi(フロント) - 33 psi(リア)

セットアップ詳細:フロントチェーンリングとエアロバーをカスタマイズ。

エアロバー:コンフォートバーと呼んでいて、ありがたいことに本当に快適です。 

リペアキット:チューブ、PROマルチツール、ダイナプラグ、スペアプラグ、CO2  

スタート時の食料:レース開始時間が早く気温が低いので、高カロリードリンクを入れた28 oz(約820ml)ボトル2本。食べ物に関しては、早い時間はいつも大きめのクリフバーにして、糖分は後半のためにとっておきます。 

チェックポイントスナック:クリフ製品各種、ハイドレーションパック、素早く交換できるスペアサドルバッグ(必要時)、それからもちろんコールドブリューコーヒー。 

レースのお供:グミベア1袋

ANGELA NAETH – UNBOUND GRAVEL 200

出場歴 – 初出場

Angela Naethはプロのトライアスリートであり、アイアンマン・チャンピオン、そしてグラベルコミュニティを愛するライダーです。

自転車:Obea Boundary

ギア:52-36Tチェーンリングおよび11-30Tカセット

タイヤ:Maxxis Rambler Silk Shield 700x40c

空気圧:40-50 psi

セットアップ詳細:

エアロバー:Pro Missile Evo Clip-On

リペアキット:すべて2つずつ 

ハイドレーションパックまたはボトル:両方

チェックポイントスナック:パワーバー製品

LAURENS TEN DAM – UNBOUND GRAVEL 200

出場歴 – 初出場「私はこのレースをかなり甘く見ているかもしれません」

Laurensは2人の息子の父親であり、Thessaの夫で、ワールドツアーライダーを引退し、現在は「プロの冒険家」を名乗っています。彼は「Live Slow Ride Fast」という名のビジネスを展開しており、この事業はヨーロッパで開催される3つのグラベルイベント、ポッドキャスト、YouTubeでの動画配信、そしてサイクリングウェアブランド (LSRF) で構成されています。その一方で、BicyclingNLの編集長を務め、自身の冒険について執筆しています。

自転車:Specialized Diverge Pro 

ギア:48-34Tチェーンリングおよび11-34Tカセット

タイヤ:Specialized Pathfinders 700x42c

空気圧:2.0 bar (29 psi)

セットアップ詳細:

エアロバー:無し

リペアキット: プラグ、CO2、チューブ、タイヤレバー、マルチツール  

スタート時の食料:NUUNの電解質飲料、クリフブロック

チェックポイントスナック:追加のクリフブロック、フレッシュボトル、追加のハイドレーションベスト(必要に応じて)。10時間の食事は味気ないですが、後のパーティーで補います。

レースのお供:Live Slow Ride FastのBomba

CRYSTAL KOVACS – UNBOUND GRAVEL 50

出場歴:2021年4位

「家族みんなでできるスポーツとして、夢中になった」と語るCrystal Kovacs。彼女は自身を強力なバックパックライダーであると自認しています。

自転車:2021Salsa Warbird

ギア:GRX 1x11、40Tチェーンリングおよび11-46Tカセットスプロケット

タイヤ:Kenda Alluvium Pro 700x42c

空気圧:35 psi 

Di2カスタマイズ:Garmin操作用のハンドルバーボタンを、マップ画面への切り替えができるようにカスタマイズ

リペアキット:Wolftoothハンドルバーキット、スペアチューブ、CO2、タイヤレバー、マルチツール

スタート時の食料:Carbo Rocket 333を入れたボトル3本、750 kcal分を自転車に準備

チェックポイントスナック:水に溶かすためのCarbo Rocket 短時間のイベントなので本格的な食べ物は必要ありません。

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